履歴書に卒業校を記入する「学歴」欄があるが、当該部分を英文履歴書では”educational history”と記載する。”school history”ではない。educational history は日本語訳にすると「教育歴」である。「学(校)歴」ではない。私は、ここに日本社会の弱さがみてとれる。つまり、中身ではなく外形を重視している点。これが日本社会の弱さとなってあらわれているといいたい。
欧米社会では学校名ではなく、何を学業として学び、何を修めたのかが重視される。一方で、日本社会では、卒業校の名前ばかりが重視され、何を学んできたかに力点が置かれていない。
私も社会人となりいくつかの就職先の面接を受けてきた。そこでは「何を学んできたのか」を問われたことは、残念ながら一度もない。私の本音としてはそこを訊いてもらいたいのだが、誰も問うてこない。学校名ばかりが強調され、色眼鏡で人物を見る。評価する。レッテルを張る。それにより、不採用になったこともある。
日本社会の衰微の原因の一つに、人を判断するのに「教育歴」の観点から考慮していないことが挙げられよう。「学(校)歴」を伏せて、「教育歴」を詳細に記入すれば、より客観的に、よりその人をその人らしさを理解し、識ることができるだろう。「学歴」欄を「教育歴」欄とし、何を学んだか自由に記載するようにすればよいのではないか。私は、このままの状態が続くと、現在の日本社会の人を選ぶ基準が相も変わらず、脆弱性がますます増大していくように思え、悲しくてならない。
(最後までお読みいただきありがとうございました。記事一覧は こちら です)
無責任な権力組織を回避して、自分らしく生きる方法や考え方を記しています。読者の皆様個々人の人生について、振り返っていただける時間を提供できれば幸いです。